米経済誌『フォーブス』の1月21日付の「なぜ労働力不足は中国のメリットになるのか」と題した記事によると、中国国家統計局が発表した統計データから、2012年、中国の15歳から59歳までの労働適齢人口は9億3727万人で、前年に比べ345万人減ったことがわかった。
総人口の比率から見れば、労働適齢人口の減少は取るに足らないほどわずかなものだが、同じ時期に、中国経済の成長率が13年ぶりに8%割れしたことも影響し、労働力不足の問題はやや際立っているように思われる。
短期的に見ると、労働力の不足は中国経済にとってはデメリットである。まずは所得とインフレを押し上げる可能性があり、更には中国人民銀行(中央銀行)の利上げに繋がることも考えられるため、中国経済の回復を妨げる要因となる。また、所得が上がることで、アジア地域における中国の競争力の優位性は弱まり、中国国内企業はベトナムなどの労働賃金が安い国との競争に晒されることになる。
しかし、長期的視野で見ると、労働力不足は中国経済のメリットとなる。それによって、中国企業のイノベーションが促進されるというプラス効果がある。
労働力不足は、企業の技術水準の向上を促し、労働生産性と生活水準の向上に繋がり、更にはイノベーションを後押しすることができる。
これらは全て、イギリスやアメリカ、日本が労働力不足となった時期に歩んできた道である。労働力を効率的に節約する技術とイノベーション力を引き上げることで、大きな社会的な矛盾を引き起こすことはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年1月23日