一部の国の政府関係者には、介入によって自国通貨の上昇を抑制する可能性を排除できないという人もいる。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のジャン=クロード・ユンケル議長はこのほどルクセンブルクのビジネス界リーダーが集まる大会で発言した際、ユーロの為替レートは危険なほど高いと述べた。ロシア連邦中央銀行のウリュカエフ第一副総裁は今月16日にモスクワである会議に出席した際、日本は今、円の為替レートを低く抑えようとしており、他国がこれにならえば、一部の国の通貨が先を争うように低下して「通貨戦争」を引き起こす可能性があると指摘した。
孫副院長は、「通貨戦争勃発の可能性が高まっていることは確かだ。日本政府と日銀の見方によると、通貨を大量に発行すれば日本国内の物価の上昇を促すことができるという。だが現在のような世界経済が一体化に向かう環境の中では、通貨の大部分はより多くの利益を求めて日本から流出し、日本国内にはとどまらない可能性がある」と指摘し、また「日本がデフレ局面を変えるために努力してきたのはここ一二年のことではないが、結局のところ連戦連敗だった。グローバルな資本が自由に流通する環境の中で、日本政府の努力は再び水泡に帰す可能性が高いし、今回うち出したような無期限の量的金融緩和政策の後遺症は巨大なものになる」と懸念を示す。