長期的にみれば、日本が引き続き通貨を大量に発行した場合、継続的な円安となり、一連の連鎖反応が起こり、円建て債券が真っ先に危機に陥る可能性がある。世界最大の債務国である日本は、2012年の債務額が国内総生産(GDP)の2.37倍に達した。これはギリシャやイタリアの債務水準をはるかに上回るものだ。格付け会社のフィッチ・レーティングスは同年、日本国債の格付けを「Aプラス」に引き下げた。より深刻なのは、日本が国債頼みの赤字財政にますます陥っていることだ。経済活性化や軍備拡張のための財政予算は年々増加しているが、税収源はますます減少しており、財政支出によって経済成長を促すという戦略を長く続けることは難しい。日本は長らく、新たに国債を発行してすでに発行された国債の償還費用に充てるということをしており、債務をますます増やしているだけでなく、国債の発行総額で記録を更新し、国債への依存度をこれまでにないほど高めている。日本の国内にも国外にも広がる緊迫した状況により、日本の債務の状況は極度の不確定性に直面する可能性がある。また債務の悪化ペースが加速する可能性も排除できない。日本の銀行業界は日本国債を最も多く保有しており、国債が危機的状況になると苦境に陥ることになる。また銀行業界の危機は日本経済のデフレ傾向を激化させ、経済の土台をさらに悪化させる可能性がある。また一方では、円安によって日本企業の海外投資が為替差損を被り、原料輸入コストが高まり、苦境にある日本企業がさらなるダメージを受ける可能性がある。
こうしたことからわかるのは、量的金融緩和という通貨政策の実施は日本にとって少しもプラスにならないということだ。
「人民網日本語版」2013年1月24日