衛星測位システム「北斗」は1年間の試運転を経て、民間へのサービス提供を開始した。これにより資本市場では、北斗システム関連株の高騰が生じている。20数年間に渡り計画されてきた北斗システムの商用化スタートにより、ナビゲーション業界の構造に変化が生じることは不可避だ。
GPSは世界および中国国内で90%以上の市場シェアを占めている。ナビゲーション産業の企業もまた、日欧米の三つ巴となっている。北斗システムはいかにして同産業に変動をもたらすのだろうか。
モバイルネットワーク、スマートフォンの高度発展に伴い、軍用から始まり民用へと発展した同産業は、川下の位置測定、SNS、地図などの応用で激変を迎える。携帯電話向け地図は、最も熾烈な戦場となっている。
◆GPSの独占
GPSが独占的な地位を占める測位システム民間市場において、北斗システムが新たな競争者になりつつある。
中国科学技術部(中国科学技術省)国家リモートセンシングセンターの邵立勤氏は、「中国国内の民間ナビゲーション市場において、GPSが90%以上のシェアを占めている。北斗システムはその他のシステムと共に、残りのシェアを占めている。GPSは市場・技術面で成熟しており、その他のシステムがこれに代わることは困難だ。北斗システムは民用市場において、依然として参入者の立場であり、短期間内にGPSの地位を脅かすことは難しい」と指摘した。