◇通貨供給量増加の理由
中国人民銀行の周小川総裁によると、過去に中国が統計をとった実体経済は資材部門だけを含み、サービス業を含んでいないため、市場化の拡大と経済の急成長にともない、通貨供給量が当時統計をとった「実体経済」のニーズをすぐに上回り、経済を上回る通貨供給、即ち「通貨の超過供給」と言われているが、実際の通貨供給は実体経済のニーズだけでなく、サービス業や金融市場のニーズも満足する必要がある。
国家情報センター経済予測部世界経済研究室の張茉楠副研究員は、改革開放の深化と市場化の向上で中国の貨幣需要の水準が高まり、通貨供給量の伸びが経済成長を上回り、マネーサプライ(M2)の対GDP比が拡大。また、世界貿易機関(WTO)に加盟後、輸出拡大や外貨準備高の累積によって通貨創造のメカニズムと供給構造が大きく変わったと指摘する。