このような背景で注目すべき現象なのは、日本自動車メーカーが口に出さずともアジアの他国、特に内需主導型経済が持続している東南アジアにシフトしようとしていることは明らかであることだ。
トヨタグループは最近、2013年からの今後3年以内は、世界の既存の工場に増産投資をするのみで原則的に新工場を作らないと公表した。しかし、トヨタのこの今後3年間の投資戦略は東南アジアには別の門戸が開けてある。公式見解では2013年から2015年末までの新工場建設投資のその他のプロジェクトはすべて延期されているが、今年運転開始予定のインドネシアとタイの工場は例外になっている。ここからもトヨタの東南アジア市場に対するウエイトが重くなっていることがわかる。
また、日産は昨年10月3億7600万ドルを投資してタイに新工場設立を決定、2014年には生産開始する。この施策はリスク分散だけでなく、東南アジアでトヨタ、ホンダの二大ライバルと戦うためだ。