2月15日、韓国紙・朝鮮日報に「中国の汚染濃霧にも理由がある」という記事が掲載された。以下は記事の概要。
中国の多くの都市は濃霧に頭を抱えており、北京では可視度200メートル以下の日もある。汚染濃霧は偏西風に乗って海を越え、韓国にも到達している。韓国の空気中の粉塵の3分の1のは中国由来であることが研究で明らかになっている。中国の公害は世界規模で拡散している。中国の二酸化炭素排出量は世界の4分の1、米国の1.5倍に相当する。環境保護分野で中国には劣悪という烙印が押されてしまった。
とはいうものの、私は別の角度から中国の汚染濃霧問題を考える必要があると考えている。世界広しといえどメイドインチャイナを置いていないスーパーマーケットは皆無だ。安価な労働力とゆるい環境規制で中国製品はまさしく世界中で価格競争力を維持してきた。中国の労働者の賃金コストが先進国のレベルに追いつき、自動車の排出ガス規制やガソリンの精油基準が厳格になれば、このように安価な中国製品の恩恵にあずかることはできなくなる。
ここで考えるべきなのは、ゆるい環境政策で直接苦しんでいるのは中国人であることだ。工場周辺に住む人々が受けている公害の危険性に比べれば、都市生活者の生活環境はたいしたことはない。同様に中国人が汚染濃霧で苦しんでいるおかげで、先進国の人々は清潔な空気の中で安価な製品をたんまりと享受できる。これも環境と技術の分業だろう。