アメリカに次ぐ第二の工業国となった中国は「世界の工場」としての地位を固めた。しかし10年前と比較すれば労働コスト競争力は明らかに落ちており、新たな国際競争力を持つための新戦略が求められている。中国社会科学院経済研究所の裴長洪所長に話を聞いた。
現在、世界の製造業の動向に2つの新たな波が生まれている。一つはアメリカが「再工業化」を標榜し、「製造業の再生」という政策スローガンを掲げていることだ。製造業のアメリカ回帰の流れである。二つ目は、世界のメーカーが労働コストの更に低いASEAN諸国に移転していることである。例えば、2010年にベトナムは、中国に代わって世界最大のナイキ製シューズの生産国になった。