悪化する中日関係は、すでに日本IT企業の中国事業に影響を及ぼしている。大連市以外の地区で、日本IT企業は苦境に立たされている。
東芝ソリューションは2011年7月、中国の有名IT企業・東軟集団と合弁会社「瀋陽東芝東軟情報システム社」を設立し、中国でITサービスの提供を全面的にスタートさせた。事業開始より1年余りで、同社は顧客から「当社は日本製品の不採用を決定した」という通知を受けた。
1stホールディングスは2011年より、中国のITサプライヤー・北京宇動源科技と資本提携を開始した。双方はBI(ビジネス・インテリジェンス)ソフトの販売・開発で提携し、新商品を共同開発している。しかし1stホールディングスの内野弘幸社長は、釣魚島問題の発生より、「公共機関・国営企業に対する販売活動の展開が日増しに困難になっている」と述べた。
中国事業を約40年間推進しているNECはこのほど、中国の某大都市の政府から、防災システムの受注を獲得した。同システムは、都市の各地点に設置したセンサーとカメラを利用し、災害時の情報をデータバンクに集め分析を行い、適切な防災措置をタイムリーに講じることができる。