同様に、スペインは16世紀から17世紀に渡り赤字を維持していた。これらの赤字はアンデス山脈のプラチナによって補われたが、これによって生じた流動性の氾濫が世界に繁栄をもたらした。エリザベス時代のイングランドとムガル帝国は、そこから利益を獲得した。高度成長・急激なグローバル化の時代であった1870-1913年にも、バランス化は実現されなかった。資金の提供者は英国で、英国は「世界の銀行」になった。
過去60年間、米国は持続的な経常赤字により、世界の成長を支えた。ブレトン・ウッズ体制において、米国の赤字は戦争の打撃を受けた欧州と日本の復興を支えた。反対に、欧州は米国の赤字に資金を提供した。