春節気分がまだ抜けない中国だが、山東五鉱服飾有限公司に勤める鄭さんの顔は冴えない。彼の会社では今年に入ってから、まだ1件の契約も取れていないからだ。現在会社でやっているのは昨年受注した仕事だ。3か月前、円と人民元の為替は100円8.04元だった。それが現在では6.68元、17%近くも円安になっている。
ケース1:李松さん(酒類輸出入業)
輸出取引は減少、輸入は順調
李松さんは青島市城陽にある酒類輸出入会社の課長だ。現在、対ドル、対人民元で円が大幅に安くなっているが、対日輸出業務が多いこの街の企業がこの円安に対応するのは容易ではないと言う。
「我が社では輸入と輸出の割合は同じぐらい。円がこのような状況だと、輸出先は限られてくる。利益を確保するためには今まで以上に輸入に頼ることになる」と李松さんは言う。彼らの会社の主業務はワインの輸出と日本酒の輸出入だ。主な取引先にスペイン、イギリス、フランスの企業があるが、最も多いのはやはり日本。しかしこの円安で注文に変化が生じた。1月からワインの輸出を止めているのだ。輸出の再開がいつになるか分からないが、円安がこのままの状態ならば輸出停止は継続しそうだ。