日本がこの時期にメタンハイドレートの情報を発表した一つ目の理由は、国内世論の沈静化だ。シェールガスはやはり最も安価であり、メタンハイドレート技術が実用化する前に、この代価は支払う必要があるというわけだ。二つ目の理由は、米国への対抗だ。メタンハイドレート技術を持っているのだから、価格交渉能力を引き上げられるというわけだ。
しかしメタンハイドレートがシェールガスの地位を揺るがせるかについては、多くの人が否定的な態度を示している。その最大の原因は、メタンハイドレートの商業開発が、まだ遠く先の話であるからだ。これには二つの課題が存在する。一つ目は技術的なもので、熱分解も圧力低下も商業開発を満たしておらず、投入が産出を大きく上回っている。二つ目は環境的なもので、メタンハイドレートの開発により、大量のメタンガスが大気中に拡散される。メタンガスは強力な温室効果ガスで、その温室効果は二酸化炭素の20倍に達する。