「近年、WTO中心の多国間貿易システムの働きが弱まる一方で、地域的貿易協定が各国で深化・発展している。これは世界経済に統合に出現した新たな現象だ」。対外経済貿易大学国際経済倫理研究センターの劉宝成主任は「世界経済が減速する中、各国共に貿易手続きを簡素化し、貿易コストを引き下げることを差し迫って必要としている。こうしたニーズが自由貿易圏の構築を客観的に推し進めている」と説明した。
「中日韓自由貿易圏を構築すれば、3カ国ともに必要とするものを得られる」と劉氏は指摘。「中国は産業構造の転換と高度化を差し迫って必要としている。こうしたニーズも貿易や投資を通じて満たすことができる。日本と韓国がこれにふさわしい市場であることは間違いない。このほか中国は日韓への投資を通じて産地優勢を形成し、欧米保護貿易主義ブロックを避けることもできる」と説明した。
劉氏はさらに「日韓にしてみれば、対中貿易の深化は経済の持続的成長の助けとなる。現在も中国は人件費、用地コスト、資源の面で強みを持ち、消費能力も高まり続けている。これらはいずれも日韓に投資と市場の空間を与える」と説明した。