だが、もし日韓がTPPと中日韓自由貿易圏に同時に加盟すれば、中国に優位に働くとの楽観的分析もある。中国は日韓との協力の形を通じて、産地優勢を享受し、TPPの多国間貿易優遇条件を獲得できるというものだ。
頭が痛いのは、日本が米側のTPPの制約から、中日韓FTA交渉のプロセスに影響を与えることだ。
もしFTA交渉が棚上げになれば、3カ国の利益が損なわれるだけでなく、より長期的には北米自由貿易圏のたゆまぬ拡大とEUの財政・金融政策統合プロセスの推進に伴い、アジアは欧米と対抗する貿易枠組みを欠くことになり、世界経済におけるアジアの発言力に影響が生じる。
「21世紀の経済成長はアジアにある。だが結束と発言力を欠けば、たとえ比較的速い成長を実現しても、その利益を得るのはアジア諸国ではなくなる」と劉氏は指摘。「3カ国の切実な利益とアジア経済の地位に関わる状況の時にふらふらしている日本は、平和的発展という先見の明を持ち、視野をもっと広げ、度胸をもっとつけ、アジア最大の、最も成長性を備える経済国と一致協力すべきだ」と述べた。