林国本
このところ、中国のメディアでは、中国の夢、チャイナ・ドリームという言葉がひんぱんに取り上げられている。これは習近平国家主席が第12期全人代第1回会議閉幕の際におこなったスピーチの中に出てくる言葉で、中国の現状と近未来の将来像を的確にとらえたものである。そしてこのドリームを現実化するためには、必ず中国の道を歩まなければならないこと、必ず中国の精神を発揚しなければならないこと、必ず中国の力を凝集しなければならないことなどが強調されている。
このドリームはとどのつまり、人民のドリームである。
記者たちが、いろいろな層の人たちを取材しているが、例えば都市に出稼ぎに来て、十数年の奮闘を経て、リフォーム業を立ち上げたもと農民工は、都市に定住して、農村から両親を呼び寄せることを当面のドリームとしている。大企業のエンジニアは、新しいシステムの開発を当面のドリームとしている。中国人のほとんどすべてがそれなりのドリームを描いて頑張っているわけだし、こうした大勢の人たちのさまざまなドリームが集約されたものがチャイナ・ドリームの核をなすものとなるのであろう。