■日本:メタンハイドレートでエネルギー自給を実現か?
米国は近い将来にエネルギー独立を実現できると言っており、これは白昼夢ではないが、日本というエネルギー面で安心感を得たことのない国家が、エネルギー独立のスローガンを叫ぶならば眉唾ものだ。しかしメタンハイドレートは、日本に大きな希望をもたらしている。
経済産業省はこのほど、メタンハイドレート(俗称は燃える氷)から天然ガスを取り出すことに成功したと発表した。海底の水化物を分解し天然ガスを採取したのは世界初のことだ。これを受け、日本によるメタンハイドレートという新エネルギーの開発が一歩前進した。日本側は、「エネルギー不足の日本にとって、メタンハイドレートは次世代国産燃料になり、日本の100年間の天然ガス需要を満たすだろう」としている。
データによると、日本付近の海域のメタンハイドレート埋蔵量は7兆立方メートルに達する。現在の消費量によって計算するならば、この埋蔵量は日本の1世紀分の自給自足を実現できる。しかし経済面から見ると、メタンハイドレートの実用化はまだ遠い先の話だ。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の推算によると、1立方メートルのメタンハイドレートから天然ガスを採取するためには、46-170円の費用がかかるという。これは米国の天然ガスの、1立方メートル当たり10円という開発コストを大きく上回る。
メタンハイドレートは世界各地に広く分布しているが、これを開発する場合は温室効果、海底地層の崩壊、海洋環境バランスの破壊といった影響がある。メタンハイドレートの開発に興味を持つ各国は、メタンハイドレート開発の成熟した方法を積極的に研究している。
米国でこのほど起きたシェールガス革命を加味すると、メタンハイドレートの開発利用により天然ガス市場の供給源がさらに増加することから、世界エネルギー市場の構造が将来的に変化する可能性がある。