かつて香港ドルを狙い撃ちした、世界的に有名な投資家のソロス氏は昨日香港で、ソロス・ファンド・マネジメントの新経済思想研究所(INET)の会議に出席した。日銀の量的緩和策の強化について、かつて円で大儲けをしたソロス氏はメディアの取材に応じた際に、「日銀の量的緩和策は、円の雪崩を引き起こす可能性がある」と指摘した。ソロス氏は昨年、円安の「賭け」に出て、10億ドルの利益を創出したと報じられた。83歳にして益々旺盛なソロス氏の新たな動向が、注目を集めている。再び香港ドルに興味をもつことはないかという質問に対して、ソロス氏はもったいぶり、「また香港ドルを狙い撃ちする場合は、皆さんに警告を出すだろう」と笑ってコメントするに留まった。香港紙・文匯報が伝えた。
ソロス氏はメディアの取材に応じた際に、「日銀の量的緩和策は、円の雪崩を引き起こす可能性があり、非常に危険な手法だ。円安が続くという予想を受け、日本人が資金を海外に移すからだ。日銀のグレードアップ版の刺激策は、一つのセンセーションであり、非常に大胆な行動だ」と指摘した。
ソロス氏は、「過去25年間に渡り、日本政府の赤字が拡大を続け、景気回復の措置が奏功せず、経済が低迷を続け、新たな政策を打ち出さざるを得なくなった。しかし日銀の金融政策は、すでに下がっていた円相場をさらに引き下げている。日本人は円安の持続を意識しており、資金を海外に移そうと検討している。これは最終的に円相場の崩壊を招くだろう。日銀の行動開始後、日本の指導者は円安および資本の海外流出を防げなくなり、収拾がつかなくなる可能性がある」と警鐘を鳴らした。