ボアオ・アジアフォーラム2013年度年次総会が4月6日に開幕し、「林毅夫と対談・新構造経済学」サブフォーラムにおいて、北京大学国家発展研究院の名誉院長、元世界銀行の上級副総裁である林毅夫氏は、「消費は重要だが、中国の今後の発展の原動力とみなすべきではない。なぜなら、中国経済の発展に当たっては、労働生産性の水準を絶えず向上させることが基本である。労働生産性の水準向上のためには、今ある産業技術をイノベーションし続けていくことが欠かせない」との見方を示した。
林氏は「より付加価値が高い新産業へと資源を再配分する必要があり、それはどの国であっても、所得水準を引き上げる唯一の手段である」と指摘する。
しかし、新産業への資源の再配分は、投資でしか達成できないと林氏が考えている。「今後の中国には投資が重要である。産業や技術面での投資にしても、インフラ施設に対する投資にしても、いずれも経済発展の水準と所得水準の向上のためであり、所得水準が向上することで、資源もまた増える。我々はこれまでも中国の消費に着目してきており、毎年の消費の伸びも小さいものではない。消費は発展の目的であり、投資は発展の手段である。消費と投資の両者の関係をきちんと見極める必要がある。そうすれば、中国経済の発展の潜在力は極めて大きい」。