まず、円安は短期的な影響ではなく、長期的な影響だ。日銀の黒田東彦総裁は、約2年をかけて大規模な量的・質的金融緩和を実施し、2%の物価上昇率目標を実現すると表明した。これは日本が長期的なスパンで円相場を見ていることを示す。言い換えるならば、円安の長期的なすう勢がすでに形成された可能性があることになる。そのためこの変化は、今後数年間の世界貿易構造に影響を与える主な要素となる。
次に、急激な円安は日本のアジア政策の転向を反映している。これは日本が協力ではなく競争を重視する可能性を意味する。これにより政治的リスクが増加する恐れがある。
経済面を見ると、大幅な円安は日系企業の産業チェーンにおける競争力を高める。そのため日本と東アジア諸国の経済競争関係が激化することになる。産業分業を見ると、韓国が初めに深刻な影響を受ける。韓国の電子製品と自動車は、世界市場で日本製品と直接的な競合関係にあるからだ。圧力を緩和するため、ウォンが持続的かつ大幅な円安を容認するか、人民元がその後どのような動きに出るかが問題になる。