都市化は消費の基礎であり、中国家庭の購買力を大きく高めることになる。中国の都市人口比は昨年、52.6%に達し、1980年の18%の 3倍近くとなった。2030年までにさらに拡大し、70%近くとなる見込みである。もしも都市化と同時に雇用を創出することができれば――労 働集約型サービス業の重点発展を進める中国では十分可能である――家庭収入増加の未来は明るい。
都市化の歩みは、長期的な過剰投資が行われているのではないかという欧米諸国の憂慮を解消するものである。コンサルティング会社のマッキン ゼー・アンド・カンパニーの研究によると、都市に新たに流れ込む住民は年間1500万人から2000万人に達する。中国の大都市(人口100 万人以上)の数は2010年には125都市だったが、2030年には220都市以上にまで拡大する見込みだ。都市化には大量の資金が必要だ が、中国の一人あたりの資本ストックは――生産力成長を推し進める中心的要素――米国や日本の13%にすぎない。このため中国は今後も長期に わたり、高投資経済の状況を継続することが予想される。