人民元相場の形成メカニズムのより一層の改善だけでなく、健全な金融市場の発展、資本項目の対外開放の安定した推進もまた、人民元相場の安全性を保障する重要な措置である。
毎回、人民元相場の上昇傾向が現れると、ホットマネーに関する懸念が高まる。それは詰まるところ、中国国内の金融市場の奥行きと大きさに対する自信が欠けており、中国の資本項目の対外開放の準備が整っていないことを示している。
中国経済の開放度は絶えず高まっており、人民元為替相場と他の通貨との連携はますます強化されている。資本項目の人民元兌換自由化は人民元の国際的な地位を徐々に向上させることができ、クロスボーダーでの人民元の使用範囲の拡大に繋がる。各方面の情報を見ると、国内の金融市場の整備の推進、資本項目の開放度の向上がますます加速していることが分かる。例えば、銀行間債券市場の適格海外機関投資家(QFII)への開放、中国本土の証券取引所の香港・マカオ・台湾の投資家への開放、A株市場オープン・エンド型ファンドの国内在住の外国人に対する開放などが挙げられる。国内金融市場がますます成長・成熟するにつれ、人民元の投資価値はどんどん高まり、人民元相場が外部のダメージを食い止める力も一段と強まっている。