しかし悲観主義者は中国が今の経済発展の勢いを維持できるかに疑問を抱く。広義の経済制度はさほど問題ではないが、現在の成長パターンが中国を「中所得の罠」に陥れる可能性がある。問題を体制のせいにするのは中国式の考え方の典型だが、30年の急成長を実現した体制が本当に日本やアジア四小竜の体制に及ばないとでもいうのか?
高度成長期に中央計画体制から発展した中国の経済体制には他よりまさっている点があるはずだが、経済体制の発展と最終構造はその国の所得水準や経済発展の段階と密接に関係する。現体制のある方面が経済のさらなる発展を支えきれない場合、逆に成長の妨げになる場合がある。経済成長に必要なのは「最高」の体制ではなく、新しい経済成長のニーズに適応できるよう体制を調整できるかだ。この角度からいうと、経済体制が全面的な制度改革を許容できるかがカギを握っている。