それでは日本が当初、アベノミクスを採用した原因は何だろうか。因果関係を明らかにすることは、常に困難だ。しかしこのような突然の変化には、二つの強い刺激要素が確かに存在する。それは2011年の津波と中国だ。
安全への懸念と経済面の無力感は長期に渡り、深く結びついている。富国強兵は、1868年の明治維新後の、日本近代化の需要であった。安倍首相にとって、これは力強いスローガンだ。これを簡単に説明するならば、日本経済が停滞すれば、その自衛力も低下するということだ。安倍首相はナショナリズムを放棄したわけではない。