日本の新政権は「新経済政策」を大々的に計画・発表しているが、その主な内容は次の通り。(1)公共投資の拡大と同時に、現在の物価目標を2%に引き上げるよう日銀に求める。(2)無制限の量的緩和策を実施し、円高を抑制する。
安倍首相は1月11日、20兆円規模の緊急経済対策を正式に発表した。このうち財政支出は10兆円を超える。これにより60万人の雇用先が創出され、GDPを2ポイント押し上げるとされている。上述した新経済政策はこれまでの繰り返しであり、刺激の度合いを高めたに過ぎないことが分かる。
安倍首相の経済処方箋が、慢性的な衰退に陥った日本経済を回復させるかについては、今後の経過を見守る必要がある。しかし短期的な刺激の効果には期待ができる。無制限の量的緩和策は、市場の融資を豊富化する。2%の物価目標もデフレを緩和し、企業の実質的な債務負担が減少する。円安もまた輸出企業の国際競争力を高める。特に10兆円の財政支出はGDPの2%の規模に達するため、一定の波及効果を生む。そのためこれらの政策は企業から歓迎され、市場も上々の反応を示している。