東莞慧達手袋工場の張潔達・行政総監はこのほど取材に答え、「数千元、数万元もするバッグを生産しても、ミネラルウォーター2本分の金しかもらえず、利益は紙のように薄い」と語った。これは多くの高級品受託生産工場の共通の声になっている。経済参考報が伝えた。
この工場はコーチ、プラダ、アルマーニ、バーバリーなど7-8ブランドの生産を請け負っており、年間160-170万点の高級ブランドバッグを生産している。同工場によるコーチの製品の生産量は、世界の受託生産工場の中でもトップ10に入る。同工場は中国10大受託生産工場の一つだ。
張氏は、「高級品の受託生産による粗利率は10%を下回る。工場の経営維持は、数量にかかっている。例えば売値が3000元のコーチのバッグを、当社は香港の貿易会社に120元で販売しており、そのうち100元がコストだ。100元のうち45元が材料費、20元が人件費、35元が水道代・電気代・賃貸料などのコストで、バッグを一つ販売しても20元(約320円)しか稼げない。これでもまだましな方だ。時にはコストをうまく抑えられず、バッグ一つで5元(約53円)しか稼げない。これではミネラルウォーター2本分にしかならない」と説明した。
広州市番禺区の某手袋工場の石達貴総経理は、「10%の粗利率は、企業のコスト抑制・管理が全てうまく行った場合だ。少しでも不手際があれば、10%の粗利率は維持できない。高級品の産業チェーンにおいて、巨大な工場は哀れな奴隷に過ぎない」と述べた。