◇中韓との外交関係犠牲には経済リスクがある
安倍氏は安全保障と外交上で痛烈な言葉を使えばリスクなしで選挙に有利になり、中国や韓国との関係をしばらく犠牲にしてもせいぜい外交コストや道義上の損失だけだと考えているが、経済政策上の土台が蝕まれる大きな潜在的経済リスクにつながることを見逃している。
まず、「黒田改革」の直接的副作用は大幅な円安だが、中国や韓国がこれをどれだけ我慢するかは、この2カ国に対する日本の外交努力にかかっている。
海外では日本の誘導的円安にすでに不満の声がある。日本政府の高官は円が「リーマンショック」までの110円台まで下がると豪語。特に韓国は輸出製品の構造が日本と非常に似ているため、円安で韓国企業の輸出は大打撃を受けかねない。