第一に、今回の暴落は、市場の正常な反応である。昨年末に安倍政権が大型金融緩和策を取ってから半年で、日本の株式市場の上げ幅は50%を超えた。暴落前の数日間は特に変動が大きく、5年半ぶりの上げ幅を記録した。投資家が利益のために売りに走ったのは、ごく自然な市場行為と言える。
第二に、「アベノミクス」のマイナス効果の表れとも考えられる。安倍政権の大型金融緩和策は円安を促進し、国債の収益率を下げた。これは、国債を保有する機関や個人投資家にとっては、資産縮小を意味する。とりわけ4月に日銀が開始した最大規模の債券購入計画は、日本円の対ドルレートをいっきに下げ、1ドル100円の大台を突破させた。投資者の投資方向もこれを受けて転換を迫られ、国債保有額を減らす動きが出た。日本の大型銀行による今年の国債取引は現在、長中期を中心とした国債の2兆7千億円の売りとなっているが、3月だけを見ると7800億円の買いだった。