しかし銀行の低い超過準備率により、資金需給状況に変動が生じやすい。また6月の資金需給状況には不利な要素が多く、金利が短期的に低下してから再度上昇する恐れがある。時期的な要因を見ていくと、6月5日は定例の法定預金準備金の支払日だ。5月の預金規模は通常ならば大幅に増加するため、その資金需給状況への影響を無視できない。また端午の節句に伴う3連休、上半期の審査により、資金需給状況に段階的な衝撃がもたらされる。銀行自身の流動性の状況を見ると、第1四半期末の銀行の超過準備率は2%低下した。一部機関は、5月末にさらに約1.6%低下すると予想している。低い超過準備率は、金融機関の流動性の衝撃に対する許容力を大幅に引き下げる。これは過去2カ月間の金利上昇によっても示されている。外部の流動性について見ていくと、これまでの外貨買取専用資金の拡大の持続は、不確定要素に直面する。国家外貨管理局の新規定が奏功し始めており、架空の貿易により流入したホットマネーが減少する他に、6月末は外貨預貸比率の新規定の最終目標達成期間だ。この二つの要因は為替決済の需要を減らし、外貨購入の需要を増加させる。またこのほど米国の国債利回りが大幅に上昇し、中国と海外のマージンが減少することで、資金が米国に回流する可能性がある。
全体的に見て、6月上旬の資金需給状況は大幅に改善されるが、その金利低下の幅と持続性を楽観視できない。特に6月下旬に、資金需給状況が再度逼迫するリスクに警戒が必要だ。当然ながら、景気回復の流れが弱い中、中央銀行は資金コストを低い水準に維持する意向だ。中央銀行は公開市場オペを中心とし、操作性をフレキシブルに調整し、銀行システムの流動性の基本的な安定と適度な緩和を維持すると見られる。
「中国証券報」より 2013年6月1日