▽中産階級に人気の贅沢品
米国を訪れる中国人観光客は年々増えている。豊かな中国人が増えているのも理由のひとつだが、米国で売られている商品が中国人の需要に合っているためでもある。
統計によると、米国を訪れる中国人観光客の世帯年収は平均5万?8万ドル(480万?780万円)。これらの中産階級は贅沢品だけでなく、一般的な商品への需要も高い。そしてこれらの商品は、米国で買うほうが中国よりも安く、種類も豊富なのだ。
ドイツに本部を置く中国海外旅行研究所の王立基所長は「中国で買うよりも世界の他の都市で贅沢品を買うほうが、20%?30%安い。例えばショッピングの予算が1万ドルある場合、航空券が1000ドルならば、国外まで行って買い物をした方が割りに合うことになる」と指摘する。
張さんは米国を旅行した際、6カ月から5歳までの子供用品を大量に買い込んだ。彼女は「中国では子供用品はとても高い。少しでも良い物を買おうとすると数百元はかかる。米ドルに換算して60ドル前後の品物でも中国では普通の品だ。でも米国の割引店で購入すれば、5-10ドルの品でも質がとても良いことに気づいた」と語る。
人民元の上昇も中国人の海外ショッピングを後押ししているが、米国の関連政策の緩和も中国人観光客の増加を促している。数年前まで、中国人の旅行団体が米国に行くには様々な制限が課せられていた。しかし、オバマ政権が観光業発展の促進に関する国家戦略を打ち出して以降、米国はビザ申請の手続きを簡素化し、これにより大量の中国人観光客が米国に押し寄せることとなった。