「円安で、受注があっても儲からない」と嘆く陳明発さん。
彼は宏翔電器(東莞)有限公司(以下、宏翔と表記)の副総経理で、この扇風機を生産している台湾資本の会社は70年に日本市場に輸出を始めた。陳さんの言葉でいうと「日本で稼いでいる」のだ。彼らのクライアントには有名メーカーのサンヨーやパナソニックも名を連ねる。
中国商務部の統計によると、人民元の対円相場は今年に入って13%以上上昇した。一部の製造業やOEM企業の現状からみると、日本の無制限の量的緩和による為替差損が企業の利益率を上回ったということだ。
◇減る利益
陳さんの副総経理としてのプレッシャーは大きい。毎年日本に約70万台の扇風機を輸出し、受注は安定しているが、為替相場の変動で利益がとられてしまう。大多数の輸出会社はドル建て決済だが、同社は日本のクライアントと円建てで決済しているため、円相場の変動は彼らにとってかなり影響が大きい。