◇「高級品市場」の時代に入りつつある中国
――御社は米ボーイング社の新型旅客機「B787」向けの炭素繊維の独占サプライヤーで、総合競争力で世界1位ですが、今後、「廉価市場」と呼ばれるアジア新興国の急成長にどう対応するつもりですか?
日覚社長:アジアの新興国に対してもうすでに「廉価市場」という言葉は使えないと思います。
40~50年前に我々は東南アジア諸国に進出しました。当時そこの労働力は確かに安く、廉価な生産基地でした。しかしアジア経済の成長にともない、東南アジアなどの新興国の生活水準は向上し、モノを買うのは単に生活の基本的ニーズを満たすためではなく、モノの付加価値に対する要求が高まっています。