最近、中国金融市場の「資金不足」の問題が広く注目を集めている。「資金不足」に陥った表面的な理由と根本的な原因についてほぼコンセンサスができあがっており、中国人民銀行(中央銀行)による通貨政策の連続性と安定性の維持、流動性管理の強化、金融資源の配置最適化のさらなる促進、増加した資金をしっかり利用し、ストックを柔軟に活用すること、経済のモデル転換とグレードアップへのより力強い支援といった政策・措置は理解され、支持されている。だが「資金不足」が蔓延するかさらに進んだ場合、銀行預金に損害を与えたり、銀行の倒産ラッシュを引き起こしたりするのではないかと懸念する人もいる。「資金不足」がより広い範囲で金融危機や経済危機を引き起こすと予測する人すらいる。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、同経済・管理学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
筆者は、こうした懸念や憂慮は全く無用なものであると考える。
第一に、現在の「資金不足」は一時的な問題であり、徐々に解消されつつある。もうすぐ6月末で、銀行は預金準備率に基づく積み立てや財政性の積み立てを納付し、企業の配当を出し、中間監査を行う必要がある。こうした要因が相まって、資金不足が劇化しているのだ。また監督管理部門は資産管理商品に対する監督管理と国境を越えた利ざや取引に対する監督管理を強化し、これにより各銀行は資金を増やして規定の要求を満たすことが必要になった。予測できるのは、6月30日という節目の日を過ぎれば、銀行の資金不足は緩和され、解消する可能性があるということだ。ここ数日の様子をみると、上海銀行間取引金利はオーバーナイトもので20日の13.44%から徐々に低下し、24日には6.4890%、25日には4.7360%になった。ここから「資金不足」が解消されつつあることがわかる。