「韓国とすでに形成されている堅固な貿易関係を足掛かりに、中韓自由貿易協定(FTA)の交渉を推し進める時がきている。中国はこれにより米日韓同盟をぐらつかせ、日米に警告を与えることができる」。
韓国初の女性大統領、朴槿恵(パククネ)氏の初訪中は完璧だったといえる。中韓協力メカニズムや朝鮮の核問題のほか、朴氏にとって最大の収穫は、経済・貿易、エコ・環境、サービス貿易、ハイテク技術など幅広い分野での協力を強化し、互恵・ウィンウィンのハイレベルな自由貿易協定(FTA)を1日も早く結ぶことで、2015年に双方の目標である貿易額3000億ドルを実現することを、中国の国家主席習近平氏と合意したことだ。さらに、韓国と中国が緊急時に通貨を融通し合う通貨スワップ協定の期限延長のほか、同協定の規模拡大や通貨・金融協力の深化を検討し、共に世界的金融リスクに備える方針だ。
中韓経済貿易の協力強化はお互い大きなメリットがある。2012年の中韓貿易額は前年比4.4%増の2563億ドルで過去最高となった。韓国経済の中国経済への依存度が高まる中、中韓FTAが実現すれば、韓国企業にとっては世界最大の市場の獲得だけでなく、海外進出の歩みを加速する中国資本を受け入れ、韓国経済に新たな原動力をもたらす。