一方、中国経済への意義も大きい。輸入に関していえば、韓国のハイテク製品は日本や欧米の製品に比べて安く、品質もいい。輸出に関しては、韓国を「踏み台」にすれば、中国製品が欧米日市場に進出する際のさまざまな偏見やトラブルが減り、大幅なコスト削減ができる。こうした楽観的な声がある一方、当然懸念の声もある。中韓FTAは米国や日本の敏感な神経を刺激するというのがそれだ。2012年11月、中日韓はFTA交渉を始めたが、米国がこれを穏便に見過ごすわけがなく、日本を環太平洋連携協定(TPP)への交渉に引き込み、東アジア地域の経済一体化に全面介入、さらには主導権を握ろうとする一方、裏で圧力を加え、中日韓FTA交渉を妨害している。
一方日本は、釣魚島問題で中国との関係が従来の「政冷経熱」から「政冷経冷」になり、中日韓FTA交渉は中断。3カ国交渉が正式に再開したとしても、日本政府は米国の顔色を伺って適当にお茶を濁すはずだ。今回の訪中で、朴大統領は中国と「自然な親近感」を示し、双方はFTA交渉について合意。これは日本の気分を害すに違いない。長年米国の言いなりになってきた日本も、日米同盟から経済的な恩恵を授かったことがないことはよくわかっている。プラザ合意がそのいい例だ。安倍首相は再登板後、無制限の緩和政策を行い、一時的な成長はみられたが、その経済モデルは持続可能性に欠ける。中国などアジア各国との経済貿易協力は日本にとって跳び越せないハードルだ。日韓の対中貿易を競争で喩えるなら、日本は明らかに先を越された。戦略を調整して対応しなければ、日本はまた「失われた20年」を迎える可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月1日