2012年の中国と韓国の貿易額は2563億米ドルに達し、過去最高額を記録した。1日あたり2万人の韓国人が中韓間を行き来し、100便近い往復便が運航している。両国それぞれの国に留学している学生の数も6万人以上に上り、中国と韓国の交流はもともとが密接なものである。中国は韓国最大の貿易黒字相手国でもあり、韓国では1人当たり1日2-3米ドルの黒字を中国から得ている計算である。
また、現在の朝鮮半島の緊迫した局面の中、朴大統領は就任後、南北の和解に関して、李明博(イ・ミョンバク)前大統領とは違った新たな方針を掲げている。李前大統領は「非核化・開放・3000」という、「朝鮮が核を放棄すれば、韓国は改革・開放を支援し、朝鮮の国民1人あたりの所得を3000米ドルまで引き上げるという構想を掲げていた。しかし、「核放棄」が前提条件であるため、これが実現しなければ先に進むことはできなかった。一方、朴大統領の方針は、「平和の維持、信頼外交、幸福な統一」という三本柱で対朝鮮問題の解決を目指すというものだ。しかし、朴大統領の就任以来、韓国と朝鮮の間では熾烈な駆け引きが続いており、中国・韓国・朝鮮3カ国の関係が危機的な状況に追い込まれる局面もしばしばあった。そんな中、韓国は対朝鮮問題における中国の重要性をより強く認識するようになり、積極的に中国との対話を望むようになった。そのため、経済や文化だけでなく政治や軍事面においても、中国と韓国の交流促進には多くのプラスの力が働いており、朴大統領が日本より先に中国を訪問した理由もそこにある。