法の前には国産も海外産もみな平等だ。いくらブランドが有名でも、法律を無視してたびたび価格を引き上げることはできず、競争上の優位を利用して取引相手や末端の消費者を欺くことはさらにいけない。こうした海外粉ミルク企業に反ダンピング調査を実施し、利用者の心理につけ込んで不当な利益をむさぼる投機的なやり方を叩けば、価格を理性的な範囲に戻すのに有利であり、心中複雑な親たちの気持ちがややリラックスすることができる。
政府による厳格な法執行を喜ぶと同時に、国産粉ミルクメーカーも自らに問いかけなければならない。反独占の動きによって海外粉ミルクの価格が低下すれば、国産粉ミルクの価格的優位が一層失われることになり、市場競争がより激しくなり、品質改善への決意を迫られることになるのか。どうすればそっぽを向いた消費者を自分たちの方へ引き戻すことができるのか、といった問いかけだ。
ミルク産業の競争の歴史を振り返ると、変化の速さに驚きの声が上がる。輸入ブランドの粉ミルクが中国に進出してから長い時間が経ち、その間ずっとハイエンド市場を独占してきたが、2008年以前の市場シェアは30%にとどまり、価格も相対的に安定していた。08年以後にシェアが急速に拡大し、販売価格も急速に上昇し、中国食品土畜輸出入商会が提供したデータによると、今では60%を超えているという。