08年が情勢転換の節目になった原因は、この年に「メラミン混入事件」が起きたからだ。城門が火事になればお堀の魚に被害が及ぶというように、国内の粉ミルクメーカーの多くがこの事件の影響で不振に陥った。国産粉ミルクへの疑惑が次々に暴かれ、ミルク産業の健全な発展に影響し、国産粉ミルクに対する消費者の信頼感も損なわれた。
中央政府はこうした事態を非常に重視し、明確な活動計画も指示した。5月31日に開催された国務院常務会議では、乳幼児用粉ミルクの質の安全をさらに強化するための取り組みをうち出し、薬品の管理規定に基づいて粉ミルクを管理するよう求め、優れた国産ブランドを樹立して消費者の信頼感を取り戻すことが目標に掲げられた。また「粉ミルクの安全を厳格に守るための66の関門」といった措置により、政府は問題解決に対する決意を内外に示した。
客観的にみて、反独占調査を受ければ、輸入粉ミルクには価格引き下げの圧力がかかることになる。国産粉ミルクメーカーは混乱を収めるための政府の取り組みを重視し、消費者の信頼を大事にし、高品質・低価格の製品で海外メーカーの挑戦を迎え撃たなければならない。実際には、国産製品の質を高め、消費者の信頼を取り戻せば、輸入製品に取って代わり、さらには海外に進出して海外メーカーに打ち勝つすることもできるようになる、このような勝利の方程式は、家電や自動車などにおいて多くの成功例があり、粉ミルクが次の勝利者になることは十分に可能だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月4日