しかしながら、過剰な生産能力の解消にともない、経済は短期的に鈍化し、強いてはハードランディングの懸念を抱えることになりかねない。デフレ観測が高まる中、経済が予想を上回って減速し、制御できない局面へと向かえば、かえって長期的な改革を妨げる可能性がある。データによると、中国の6月の2大製造業購買担当者景気指数(PMI)はいずれも弱気で、国家統計局が発表した製造業PMIは50.1まで低下し、年内最低の水準となり、香港上海銀行(HSBC)が発表した中国製造業PMIの改定値は48.2で、9カ月ぶりの低水準を記録した。第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は7.5%前後まで低下すると見られており、第3四半期には更に減速する可能性がある。
マクロ調整政策は、成長の質と効率の向上を強調しており、これまでの成長率重視の考えを改め、デレバレッジを進めることは賢明なやり方である。しかし、現在の金融構造において、金融システムは大企業や地方政府プロジェクトを中心に動いきた。中小・零細企業や「三農(農業・農村・農民)」関連の融資規模が小さいという状況の中で、直面するデレバレッジのプロセスにおける資金の動向はより厳しいものとなる可能性があり、適切に対応しなければ、経済のハードランディングを招きかねない。