英フィナンシャル・タイムズ紙は、「多くの経済大国を含む貿易区の構築は、主導的地位を占める一国と数多くの小国による交渉より有意義なため、中国の加入はTPPの発展にとって有益である」と伝えた。また現在の交渉加入国は多様化しており、TPP交渉の加入基準を中国の越えられない溝として見るべきではない。中国の知的財産権の保護などによる利益は、将来的にTPPの基準に近づいていくことだろう。
しかし中国商務部の国際貿易問題専門家の白明氏は、「TPPの厳しすぎる基準と必要条件は、中国にとって軽視・回避できない障害であるため、短期間内に交渉に加入する可能性は高くない」と述べた。また中国がTPP加入を加速した場合、先進国の高基準と発展途上国の安価な人件費による、二重の衝撃を受ける可能性が高い。
中国はTPP加入の利益と弊害を真剣に考慮すると同時に、自由貿易区戦略の推進を加速している。中日韓自由貿易区の交渉と、中日韓印豪新とASEANが加わるRCEP交渉が、正式にスタートした。そのため別の角度から論じると、TPPが中国を受動的な立場に追い込むことで、中国は自国の市場優勢を利用し東アジア戦略を推進し、アジア太平洋の自由貿易区の建設を実現できると言えなくもない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月16日