【朝日新聞 17日記事】「中国リスク」の波紋が世界に広がっている。不透明な金融システムに支えられた「バブル」が制御不能になれば、影響は計り知れない。モスクワで19日に始まる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも議論されそうだ。中国新聞網が伝えた。
G20の中でも経済成長率が高く、景気を引っ張る役割だった中国だが、金融部門が「シャドーバンキング(影の銀行)」と呼ばれる不透明な部分を抱えるため、不安が高まっている。
ある金融関係者は「政府が影の銀行の縮小を目指すことで、国内では貸し渋りが起こり得る」と指摘する。今まで影の銀行の融資で支えられていた事業にお金が回らなくなり、倒産が相次ぐ事態も想定されるという。
アジア開発銀行(ADB)は16日、中国の今年の実質経済成長率の見通しを7.7%、来年は7.5%へ、いずれも0.5ポイント下方修正した。ADBは、中国政府が影の銀行への規制を強め、国内の投資が鈍る可能性を指摘。減速は長引くとみる。