国境を越えたネットショッピングの最もわかりやすい利点は、中間の段階が省かれることで、海外の消費者は高品質の中国製品を低価格で買えるようになる。海外の消費者がネットで中国製品を買いたがる大きな理由は価格差だ。たとえば、国境を越えたネットショッピングで非常に人気があるウエディングドレスの場合、欧米では1着あたり2000ユーロ(約26万2千円)ほどするが、中国からネットで買えば200-300ドル(約2-3万円)で済む。
ネットで中国製品を買えば消費支出をかなり抑えることができる。そこで「ネットで中国製品」は米国、ロシア、ブラジル、ウクライナ、欧州諸国の消費者の間で大流行しており、世界を巻き込もうとする勢いがある。
「ネットで中国製品」はこれまでの不公正で不均衡だった世界貿易の利益分配局面を修正する可能性がある。周知のように、中国は世界きっての輸出大国でありながら、グローバル貿易の利益分配システムでは下位に置かれている。その一方で、西側の先進諸国は技術、ブランド、ルートといった競争上の優位を占めていることから、利益の多くを奪い取っている。中国が担当するのは主に加工の段階で、得られる利益は極めて少ない。