第四に、経済の高成長を維持するカギは全要素生産性(TFP)にある。(1)中国と先進国の技術水準の差をみると、中国はまだ「後発の優位性」を充分に利用可能(2)中国の自主革新力をみると、自主革新力は強化されているだけでなく、将来的には米国や欧州連合(EU)に並ぶ世界のイノベーションセンターになる。応用可能な市場規模も益々拡大しており、米国やEUのような規模的効果を有している(3)技術効果の角度からみると、中国は非常に大きなレベルアップの可能性がある。2011~2030年のTFP成長率は3.6%になり、要素駆動から革新駆動への重大な転換を果たす見通し――。
◇高度経済成長の5つのエンジン
胡氏は、「改革開放以来、中国が高い経済成長を持続してきたのは決して偶然ではない。人類史上規模が最大かつ最もスピードの速い工業化、都市化、情報化、インフラ近代化、グローバル化という内在的な成長の原動力があったからだ。それは中国経済が高度成長を持続するための『5つのエンジン』とも呼べる。世界239カ国・地域で同じ国はまだ2つとない」と指摘。「中国の工業化、都市化、グローバル化、情報化の全面的加速が巨大な経済活力を生み、インフラの大きな発展をもたらす」と強調する。