そんな中、中国で10月1日から実施されている新たな『中華人民共和国旅遊(旅行・観光)法』がフランスの旅行・観光業に影響を及ぼしているようだ。パリ観光局の責任者は『環球時報』に対し、「今回の大型連休にフランスを訪れた中国人観光客は大幅に減少している。中国で新たな『旅遊法』が実施されたことを受け、旅行会社が価格を引き上げたことが影響している可能性がある」と指摘した。また、フランスの名高き高級百貨店プランタンなど関係者によると、ガイドが積極的に観光客を連れて来なくなり、デパートから客足が遠のいているという。しかし、ショッピングに対する需要は急速に高まっているため、ツアーなどの買い物の時間が足りない、或いは税金還付手続きが複雑などといった不満を抱えている観光客も多い。中国人観光客に新しい『旅遊法』についてインタビューしたところ、「旅行会社の不正を防止し、消費者の権益を守ることができる」と賛成する意見がある一方で、「ガイドが積極的に案内しなくなった」や「自由行動の選択肢が狭まった」などといった不満の声も上がっている。また、フランスを訪れる中国人観光客が減少したのには、フランスの一部観光バス会社が価格を引き上げたことも関係している。中でも、これまで中国人観光客向けにサービスを提供してきたイタリア人運転手らが、パリでの当局による駐車禁止などを口実にガイドともめる事もしばしばあるようだ。実際のところ、彼らはインセンティブもなく、これといった特別手当も支給されないことから、ガイドに非協力的であり、観光客にも有益なサービスを提供しようとしないのである。ある中国人ガイドは、「運転手が原因で、パリでの観光はこれまでの倍の時間がかかるようになった。観光客は長い距離を歩く覚悟が必要である」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月9日