▽金融分野の開放・刷新に重要な突破口
同試験区では、全国に先駆けて金利やレートの市場化、資本項目における自由両替、金融市場の開放などが試験的に行われる。
同試験区がまだプレートを授与されていない時、金融機関はすでに活発な動きをみせていた。
上海浦東発展銀行は朱玉辰頭取をリーダーとする課題チームを他行に先駆けて立ち上げ、初めに同試験区に支店を設立することを提案した。また中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国交通銀行、招商銀行、上海銀行も支店の設立を申請。華僑銀行をはじめとする外資系企業も積極的に準備を進め、同試験区に切り込むチャンスをうかがう。シティバンク、香港上海銀行(HSBC)、東亜銀行、スタンダードチャータード銀行などの外資行も同試験区でのネットワーク設立を検討中だ。
保険会社も遅れを取らないようにと動き出している。中国保険監督管理委員会上海監管局(上海保監局)は中国太平洋保険(集団)株式有限公司と大衆保険株式有限公司に回答文書を送り、第一期保険会社として同試験区に進出し、主に損害保険業務を取り扱うことを認めた。
同試験区では金融分野の開放・刷新をめぐって重大な突破口が開かれており、国際的な先例を踏まえて、金利の市場化、レートの市場化、資本項目における自由両替、金融市場の開放といった金融の国際化に向けた先行テストが行われる予定だ。