一般的にいって、世界の自由貿易区では金融の自由化は主に緩和された外国為替管理制度に体現されており、資金の自由な出入り、外国為替の自由な両替、決済が利便化された外国為替管理モデルが行われ、資本項目の開放、外国為替口座の開設、資金の回収・支払の利便化、多国籍企業の資金管理、オフショア支払・決済、国境を越えた投融資などで外国為替に関連したさまざまな便宜が提供されている。だがこうしたサービスを中国の既存の体制の中で実現させることは難しい。朱頭取によると、自由貿易区に進出すれば、こうしたサービスを他社に先駆けて試験的に展開することができ、経験を総括して、能力を高めることができるという。
同試験区の金融をめぐる刷新は段階的に進められている。中国人民銀行(中央銀行)上海本部は資本項目での両替実現、人民元の国境を越えた利用、金利の市場化、外国為替管理体制の4方面について細則を制定し、人民銀の本部に報告した。また上海本部は統計モニタリングシステムの建設準備を積極的に展開し、リスクがコントロールできることを前提として、口座を分けて計算する方法を採用し、同試験区の先行的試験項目における両替を可能にするとしている。