日本最大の商業銀行の一つ、三井住友銀行の2013年新入社員内定式で、国部毅頭取は1231人の未来の部下を前にして、「当行には半沢直樹に登場するような上司はいません」と語り、会場の笑いを誘った。2013年、バブル経済崩壊後に大型銀行に就職した若手職員が、ほぼ一人の力で内部の悪と戦うテレビドラマ「半沢直樹」が日本で大ブームとなり、放送開始より驚異的な視聴率を叩きだした。
しかしテレビドラマの最終回が放映されてから間もなく、日本2位の銀行であるみずほ銀行のスキャンダルが報じられ、半沢直樹に類似したさまざまな内情が明らかにされた。
暴力団がらみの不良債権
みずほ銀行のこの驚くべき大スキャンダルは、金融庁の検査により発覚した。みずほ銀行は暴力団に融資を行い、その多くが回収不可能となったことが明らかになった。金融庁は公告の中で、「反社会的勢力」という婉曲的な言葉を用いたが、実際には組織的な犯罪が存在することを指摘した。また融資開始から現在まで3年の長期に渡り、みずほ銀行は提携先のオリエントコーポを通じて、暴力団に2億円以上の融資を提供していた。