情報化時代の車載テレマティクス技術は、新エネルギー車に続き、多国籍自動車企業と対等に競争し、さらには一歩リードする良いチャンスを中国自動車業界に与える。「情報消費を促進し、内需の伸びを牽引」との政府の産業政策が模索者に道を指し示した。2015年までに4000万に達するユーザーと1000億元を超える生産額も自動車企業にとってあらがいようのない魅力だ。上海汽車集団執行副総裁、乗用車公司総経理(社長)の陳志�纒氏は以前、新興市場は産業変革の最大の推進者、受益者となり、変革を最終的に発生させる決定的パワーにもなると指摘した。だがこの変革は暴風雨式の急激な大再編ではなく、自動車産業内部の変革と外部環境の圧力の双方を駆動力とする漸進式な変化だ。
実は車載テレマティクス分野の変化はとうに始まっている。1997年にGMがオンスターを発表、続いてベンツがテレエイドを発表して以降、車載テレマティクス技術の変革が静かに始まった。中国自動車業界の車載テレマティクス時代は4年前の北京モーターショーで、上海汽車集団の胡茂元董事長(会長)と中国聯通の常小兵董事長が握手した時に始まった。基幹産業と振興ハイテク産業の提携はすでに実を結び、上海汽車のinkaNetシステムが1.0から3.0にまでアップグレードしただけでなく、吉利、奔騰、華晨、比亜迪も自社製品を次々に発表した。機能も当初の車載移動通信からinkaNet3.0の渋滞区間回避、音声操作などの機能にまで発展した。これによって栄威350は競争の激しい8万-12万元A級車市場で頭角を現わし、月間販売台数1万台を突破した。