第二に、中国の知識と知能の向上スピードに対する見積もり不足があげられる。
中国では毎年600~700万人の大学生が卒業し、大きな雇用圧力にさらされている。しかし雇用問題を解決できれば、これは中国にとって大きな強みとなる。また、中国の台頭にともない、海外留学組が卒業後に帰国する割合が年々増加している。この5年で中国に帰国した留学経験者は80万人近くに上る。2012年の中国の失業率は米国を大きく下回った。膨大な知識人の数、科学技術レベルの向上が中国の自主革新力の源泉となる。
第三は、中国の都市化の原動力、起業のニーズとビジネスチャンスに対する見積もり不足があげられる。
中国の都市化は、数億人の農民の豊かな生活への思いを原動力としている。数億人の農民が途切れることなく都市へ押し寄せ、都市の重い負担となっているが、彼らは若い労働力であり、近代化の新鋭部隊でもある。彼らが創造した富とその貢献は彼らの消費と都市の負担を大きく上回る。中国の都市人口はようやく全人口の過半数になった。都市化の歩みはあと数十年は続くだろう。そして多くの内需を生み、より多くの発展の原動力とチャンスをもたらすだろう。