三菱重工業、今治造船、大島造船所、名村造船所、三菱商事の日本の企業5社がこのほど、ブラジル造船大手のエコビックス・エンジェビックスと合意に達し、総額約3億500万ドルを投入してエコ社の株式の30%を取得することを明らかにした。日本の造船業の海外投資としては過去最大規模になる。人民日報が伝えた。
エコ社はブラジル造船業の大手企業であり、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスと密接な関係にある。このたびの日本企業との提携協力を通じて、海上での石油開発・採掘に利用する船舶と設備を建造することを主に計画している。ブラジルの石油埋蔵量の70%は深海にあり、ペトロブラスは今後5年間で船舶の輸送能力を50%以上拡大することを目指す。2011-15年の投資計画には、総投資額の31%にあたる706億ドルを投じて製錬業務と輸送業務を強化することが明記されており、このうち浮体式石油採掘船、石油貯蔵船、石油積み出し船の計8隻、および掘削船7隻の建造を含む第一期プロジェクトは総額402億ドルに上る見込みだ。
世界の海洋石油開発業者や関連の設備メーカーの視線の先にはブラジルがある。ブラジルの中国・アジア太平洋地域研究所のセベリノ・カブラル所長は取材に答える中で、ブラジル造船業は海上石油の開発に海外からの投資をより多く呼び込み、チャンスをつかまえて造船業の再興をはかりたい考えだ。これはまた、ブラジル政府が自国の「再工業化」を推進する上でも重要な取り組みになると述べた。