こうした重要な経済分野を民間資本にさらに開放し、中国の全ての企業により公平な競争メカニズムを創出し、政府機関を簡素化し、権限を地方などに委譲する。こうした考えが現在、世論に注目されている。三中全会は歴史的な改革のアップグレードへと中国を真に導き、現実的で秩序ある戦略を提示する。
だが、中国では様々な利益集団がすでに形成されている、または姿を見せつつあることに目を向けなければならない。改革に対して求める具体的利益は社会の各集団によって違いがあり、正反対のことさえある。目下中国にとって難しいのは、改革の共通認識を形成することではなく、社会各方面が共に満足できる改革のロードマップを形成して、改革を全面的でバランスのとれた、しかも力強いものにすることだ。
30数年前の改革は一時的に大きな反対勢力があっても、推し進めることができた。だが現在では難しい。政府が社会全体を説き伏せる方法も多くない。昔の社会は改革の効果が生じるのを、ある程度辛抱強く待つことができた。今ではみな改革による利益を直ちに手にすることの方を望んでいる。また、改革には成功も失敗もつきものだ。だが今の世論は失敗に対する姿勢が一段と厳しい。これによって改革の実験の幅が事実上狭められている。